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田口 富嗣; 野澤 貴史*; 井川 直樹; 加藤 雄大*; 實川 資朗; 香山 晃*; 檜木 達也*; Snead, L. L.*
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.572 - 576, 2004/08
被引用回数:46 パーセンタイル:92.89(Materials Science, Multidisciplinary)SiC/SiC複合材料は、高温高強度及び低放射化であることから、核融合炉材料の候補材料の一つである。複合材料の機械的特性向上のために、ナノメートルオーダーで制御したSiC/Cマルチレイヤーを界面層とする先進SiC繊維を用いた、SiC/SiC複合材料を熱傾斜化学蒸気浸透法(F-CVI)により作製した。走査型及び透過型電子顕微鏡観察により、先進SiC繊維の周りにSiC/Cマルチレイヤーが生成していることを確認した。曲げ試験及び引張試験の結果、SiC/Cマルチレイヤー界面層を有する複合材料の強度は、単層C界面層を有する複合材料の強度に比べ、約10%程向上することがわかった。機械強度試験後の破面観察の結果、繊維の周りに円筒状の段差が生じていることが確認され、繊維の引き抜けだけでなく、繊維束の引き抜けも生じていた。さらに、SiC/Cマルチレイヤー内で生じたき裂の偏向は、C層内で生じていることがわかった。これらの結果から、本研究で作製したSiC/Cマルチレイヤーは、機械強度改善に十分に貢献することがわかった。
沢 和弘; 植田 祥平; 伊与久 達夫
Proceedings of International Conference on Global Environment and Advanced Nuclear Power Plants (GENES4/ANP 2003) (CD-ROM), 10 Pages, 2003/09
本報では、ZrC被覆粒子を含む被覆燃料粒子の研究開発の現状を述べる。現在の高温ガス炉では、SiC層被覆のいわゆるTRISO型燃料を用いている。安全設計では、1次冷却材中への核分裂生成物放出量が制限値を超えないよう、被覆燃料粒子内に核分裂生成物を閉じ込めることが重要である。TRISO型被覆燃料粒子の挙動は、各種実験や原子炉運転経験により研究されてきた。これらのデータは、TRISO型被覆燃料粒子は、正しく製造されれば優れた性能を有することを示している。一方、SiCは高温化では分解し、製造時の-SiC層から-SiC層への遷移温度は1600から2200Cである。ZrCは遷移金属性の炭化物であり、高融点,熱化学的安定性を特徴とする。化学蒸着によるZrC被覆層について、製造過程,特性評価等の研究が進められてきた。
大島 貴幸; 松田 俊明; 岩崎 慶太*; 石川 一哉*
NIFS-MEMO-36, p.463 - 466, 2002/06
JT-60では、遠隔実験参加システムを従来から開発している。今回、JT-60中央制御室内とセミナー室をビデオカメラとマイクにて、インターネットを通じて所内と所外へ実験情報をライブで伝えるシステムを構築した。従来から、ISDN電話回線を用いたビデオ会議システムでビデオと音声を双方向通信しているが、それと併用する形でこのシステムを開発した。近年、ネットワークの回線容量が増強され、ビデオ,音声信号 (A/V)をストリーミング配信することができた。このシステムは、A/V信号の処理をReal Producerで加工、そのデータをReal Serverでストリーミング配信し、クライアント側は、無料のソフトウェアであるReal Player Basicをインストールすることにより、簡単に見ることができる。
土方 泰斗*; 矢口 裕之*; 吉川 正人; 吉田 貞史*
Materials Science Forum, 389-393, p.1033 - 1036, 2002/05
六回周期六方晶炭化ケイ素(6H-SiC)基板上に成長させた酸化膜とSiC界面の酸化後アニーリングによる構造変化を調べた。6H-SiC基板を12001時間ドライ酸化した試料,12001時間ドライ酸化した後1200アルゴン中で1時間アニーリングした試料,1200 1時間ドライ酸化した後1200アルゴン中で1時間アニーリングした試料をさらに950で1時間水蒸気雰囲気でアニーリングした試料を作製した。これら試料をMOS構造に成型し、CV特性を測定して界面準位量を測定した。また、同じ試料の表面酸化膜をフッ酸溶液を用いて斜めにエッチングし、酸化膜と6H-SiC基板界面近傍に存在する炭素とその関連の化合物量を、X線光電子分光法(XPS)を用いて測定して、CV特性から得られる界面準位量との相関を調べた。その結果、炭素関連の化合物(C-O,C)と界面準位との間に強い相関が認められた。
飯田 健*; 富岡 雄一*; 吉本 公博*; 緑川 正彦*; 塚田 裕之*; 折原 操*; 土方 泰斗*; 矢口 裕之*; 吉川 正人; 伊藤 久義; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 41(2A), p.800 - 804, 2002/02
被引用回数:15 パーセンタイル:52.3(Physics, Applied)SiCは高周波、高パワー,高温,放射線照射下等、過酷な環境下で動作する素子用材料として優れた物性を持つ。また熱酸化で表面にSiO層が形成されMOS構造が作製できるが、酸化層/SiC界面には欠陥が多いため、物性値から期待される性能が得られない。そこで本研究では、分光エリプソメーター(SE)を用いて、その界面欠陥の発生原因を光学的に追究した。試料には、SiC基板を乾燥酸化して得た60nm程度の酸化膜を用いた。これをHF溶液を用いて斜めにエッチングし、酸化膜の光学的周波数分散特性を、膜厚をパラメータとして測定した。得られた値は、セルマイヤーの式を用いたカーブフィッティング法により、屈折率に変換した。その結果、SiC上の酸化層の見かけの屈折率は、Si酸化膜より小さくなった。また、屈折率は酸化膜厚の減少と共にも小さくなり、膜厚が1nm程度では1にまで近づいた。この屈折率の膜厚依存性は、酸化層がSiO層と高屈折率界面層から成ると仮定することで説明できる。このことから、酸化層/SiC界面には屈折率の高い界面中間層が存在し、それらが界面欠陥を発生させていると推定された。
二川 正敏; Steinbrech, R. W.*; 涌井 隆*; 倉部 誠*
表面技術, 50(1), p.58 - 62, 1999/00
反応焼結法により形成されるケイ素含浸型炭化ケイ素(Si-SiC)は、過酷な腐食環境で使用できる比較的大型構造体のためのセラミックス材として期待されている。特に、高温酸化環境中では、Si-SiCは結晶質と非晶質層から成る二層構造の防食シリカ皮膜を形成する。しかしながら、繰り返し熱負荷が加わった場合、Si-SiC基材と二層シリカ皮膜の熱膨張率のミスマッチにより、結晶質皮膜にき裂が生じる。したがって、防食機能として非晶質皮膜が形成することが望ましい。二層構造皮膜を有するSi-SiC試験片に対して熱処理を加え、皮膜の熱力学的安定性(非晶質/結晶質層間の転移)について、SEM観察及びEDX元素分析、さらに計装微小押込み試験による力学的特性(ヤング率、硬度)の評価を行った。50時間、1300Cの熱処理では、皮膜の二層構造には変化は見られなかった。すなわち、非晶質/結晶質間で転移は起きなかった。皮膜の力学的特性(ヤング率と硬度)は熱処理の影響を受けた。これは、熱処理により皮膜中から揮発したAl,Kの含有量に関係しており、シリカバルク材の組成による特性変化に対応している。
福田 幸朔; 岩本 多實; 井川 勝市
JAERI-M 9071, 50 Pages, 1980/08
本報告は原研で行って来た被覆粒子燃料の照射挙動研究の概要をまとめたものであり、以下の項目について記述した。(1)原研における被覆粒子燃料の照射実績、(2)照射キャプセル及びOGL-1燃料の概要、及びこれらの温度、燃焼度、中性子照射量の測定、、(3)照射された被覆粒子の燃料核、PC層の異方性及び粒子破壊強度に関する結果、(4)低照射したSiC中のXe,Ba,Sr,Ce,及びRuの拡散係数、(5)OGL-1燃料及びガス・スイープキャプセルによる被覆粒子からのFPガス放出挙動、(6)照射したTRISO被覆粒子中のCs及びSrの濃度分布。
福田 幸朔; 岩本 多實
Mikrochim.Acta, 1976, II, (1-2), p.99 - 110, 1976/02
高温ガス炉用被覆燃料粒子のSiC層中のFP分布測定を溶融塩を使って試みた。最初に、SiC層を段階的に除去するための条件を決めるために、いくつかの溶融アルカリで試みてみたが、KOH/NaCO=4-1の混合アルカリ800Cで溶解するのが、最も良いことがわかった。低照射をおこなったSiC層被覆粒子は1700Cおよび1800Cで63時間まで加熱してFPをSiC層中に拡散させた後、KOH/NaCOで段階的にSiCを除去しその中のガス状FPや固体FPを捕獲した。一段階の溶融毎に粒子のX線ラジオグラフィをとり、SiC層の厚み減少を測定した。このような方法で、SiC層中のXe,Ba,Sr,Ru,Ce,およびZrの分布が測定されることがわかった。